青空の向こう側

性癖拗らせ限界社不オタクの吐き溜めです。

夏の予兆

朝起きると、蝉の鳴き声が聞こえてくるようになりました。

夏はもう近くにいるようです。

姓の大半を地中で暮らし、外に出れたと思えば一週間で朽ちていく。自分が成長した、という褐色の証はいとも簡単に粉々になる。

自分よりも何倍もの大きさを誇る生き物に捕まえられ、蛍光色の檻にしまわれ、飼い殺される。

蝉の一生はなんと脆いものなのか。

でも、彼らの鳴き声を聞くだけで夏を連想させる。道端に転がる死体を見ては夏の終わりを感じさせる。蝉を知らない人間なんていないでしょう。たった一週間表に出ただけでその存在を知らしめるのです。

私も一週間だけでいいので脚光を浴びてみたいものです。その後は蝉のように音もなく息絶えたいです。一番輝いた後に、輝きが残っているうちに人生という舞台から降りたい。

……今のままだと、大きくて恐ろしい何かから背中を押されて転落死しそうな気がします。蝉のように殻を破る必要がありますね……。


これから暑くなりますので、皆様どうかお身体にはお気を付けくださいませ。